乗運寺の庭に咲く花々・・・8月


園長(乗運寺住職)の撮った写真です。
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 蓮(ハ ス)
平成14年「7月」に9種 「8月」に2種の美しい蓮の花を載せました。
平成15年は前年ほどは咲きませんでしたが、新たに2種の素敵な
花が咲きましたので追加掲載してあります。盛夏の日々、一服の
清涼剤のように 心を和ませてくれます。
 睡 蓮(スイレン)= 未 草(ヒツジグサ)
スイレン科の多年生の水草。日本各地の池や沼に生育している。
葉は馬蹄形で、基部は深く裂けている。表面は光沢があり、水面
に浮ぶ。
根生の細長い花柄の先に、白色の花を1個開く。花弁は
多数で多列に並ぶ。
(がくへん)は緑色で4枚。昼に開花し、
夜閉じる。雄蕊(おしべ)は多数で。葯(やく)は黄色。花が終ると
水中に没し、球形の液果となる。和名は未草(ヒツジグサ)で、未
の刻(午後2時)に開花することから名づけられたという。漢名の
「睡蓮」は、一般には
外国から入ってきた観賞用の種類のこと。
 河  骨(コウホネ)
スイレン科の多年生の水草。日本各地の池や沼に生育している。
根茎は白色で泥中を横に這う。葉は水中葉と水上葉の2形あり、
水上葉は
心臓形で水上に抜け出る。円柱形の花柄が水上に突き
出て、先端に径4cmほどの黄色の花が上向きに咲く。花弁状の
萼片は5枚で、花弁は多数。川の中に生え、根茎が白骨のように
見えることから名づけられた。根茎は川骨(せんこつ)と呼ばれ、
強壮剤や止血剤となる。
 布 袋 葵(ホテイアオイ)
ミズアオイ科の多年生の水草。熱帯アメリカ原産の帰化植物で、
観賞用に栽培されるが、暖地の池や水田などにふえる。葉は根
の際に集まり、卵形で光沢があり厚い。葉柄の基部が大きく膨れ
て、水に浮く。夏に花茎を出し、淡紫色の6弁花を穂状につける。
上部正面の1片は広く、紫色のぼかしがあり、その中央に黄点が
ある。一日花で、翌日には茎から倒れて水中に沈む。ふくらんだ
葉柄を布袋(ほてい)
のおなかに見立てて名づけられたそうだ。
 浜 木 綿(ハマユウ)
ヒガンバナ科の常緑大形多年草。関東以西以南の海辺の砂地に
自生する。円柱形の直立した鱗茎(りんけい)から厚くて長い帯状
で光沢のある葉を出す。夏に葉の間から高さ70cmほどの花茎を
出し、先端に芳香のある白い花を10数個つける。花被は6片で
細長く外側に反る。果実は円い。葉の形が万年青(オモト)に似て
いることから「浜万年青(ハマオモト)」ともいう。漢名は文珠蘭。
なお、当地の大瀬崎に群生しており、沼津市の「市花」である。
 女 郎 花(オミナエシ)
オミナエシ科の多年草。秋の七草の一つで、日本各地の山野に
自生する。
高さ1mほどにもなって直立するの先で枝分れした
頂きに、
小さな鮮やかな黄色の花を平らな散房状に多数つける。
花冠は5裂し、筒部は短い。美女(「おみな」)をも圧する(「へし」)
美しい花であるとして名づけられたそうだ。粟花(アワバナ)、思い
草(オモイグサ)ともいう。同種の白い花は、男郎花(オトコエシ)と
いう。7月初旬から
咲きはじめ10月頃まで咲いている。
 紫紺野牡丹(シコンノボタン)
ノボタン科の常緑低木。南米原産で、渡来時期は不明とのこと。
幹は分枝し、対生する葉は先がとがる楕円形で縁が赤みを帯び
る。
茎と葉にやわらかい毛が密生している。夏に鮮やかな紫色の
花を開く。
5弁花で、10本の紫色の雄蕊(おしべ)のうち5本が長く
鎌形に曲がる。早朝咲いて 夕刻には散ってしまう一日花だが、茎
の先に多くの蕾をつけて咲き継ぐ。
野牡丹(ノボタン)と呼ぶことが
多いが、野牡丹は もう少し花が大きく、雄蕊が黄色です。
 紅 葉 葵(モミジアオイ)
アオイ科の多年草。北アメリカ原産で明治初期に渡来した。互生
する葉は基部の方まで3〜7裂しており、形が楓(カエデ)に似て
いるところからこの名がついたそうだ。花は大形の緋色で美しい。
ハイビスカス(仏桑華 ブッソウゲ)に似ている。
早朝咲いて 夕方
しぼむ一日花。なお、
トロロアオイ=黄蜀葵(おうしょっき)に対し
て、紅蜀葵(こうしょっき)とも呼ぶ。
 木  槿(ムクゲ)
アオイ科の落葉低木。「槿」と書くこともある。中国南部原産。江戸
時代に栽培が流行し、多数の品種
ができ、約60種もあるという。
名のついた種も多い。白い花で中心が紅い「宗旦木槿」、白い花
の「遠州木槿」、
白い八重の「花笠木槿」など。
よく分枝し、互生す
る葉は卵形で浅く3裂し、縁には鋸歯がある。夏から秋にかけて、
枝先の葉腋に、径6〜10cmの花をつける。
花は朝開いて、夕方
しぼんでしまう。このことから、栄華のはかなさを「槿花(きんか)
一日の栄」(白居易)という。
古くは「あさがお」と呼んだそうだ。
 芙  蓉(フヨウ)
アオイ科の落葉低木。中国大陸、台湾、九州や沖縄など暖地の
沿海地に自生する。分枝して大きい株になる。互生する葉は心臓
で、先が3〜5裂する。夏から秋にかけて、枝の上部の葉腋に、
径10〜15cmの淡紅または白色の花をつける。
花弁は5片。朝開
いて夕方しぼむ一日花。漢名の木芙蓉は、「水に咲く芙蓉」の蓮
に対して「木に咲く芙蓉」の意。白居易が「長恨歌」で楊貴妃の顔
にたとえたことから、美人のたとえとされ、富士山を芙蓉峰という。
なお、一日で花の色が変わっていくのは「酔芙蓉(スイフヨウ)」。
 酔 芙 蓉(スイフヨウ)
芙蓉の園芸品種。早朝咲いた八重の白い花が段々赤みを帯び、
夕方しぼんでしまう。お酒に酔って徐々に顔が赤くなる様子にたと
えて名づけられたそうだ。夕方しぼんだ花は、翌日の夕方になる
とパラリと落ちる。酔芙蓉の一日の変化をどうぞ。
 アメリカ芙蓉(アメリカフヨウ)
芙蓉の園芸品種。夏の早朝、直径20cm以上にもなる大輪の花
が咲き、夕方には しぼむ。一日花。花は白や赤、ピンクなど。
アメリカ原産のフヨウの意で名付けられという。西洋芙蓉ともいう。
 夾 竹 桃(キョウチクトウ)
キョウチクトウ科の常緑低木。インド原産で江戸中期に渡来した。
よく分枝する。葉は細長く革質で、3葉ずつ輪生する。夏から秋に
かけて枝先に集散花序を出して、径4〜5cmの花を多数つける。
紅色や白色、八重咲など種類が多い。夏を代表する花の一つ。
葉は乳液を含み有毒だが、強心剤、利尿剤に用いられる。
 百 日 紅(サルスベリ)
ミソハギ科の落葉小高木。中国南部の原産。幹はなめらかで、樹
皮のはげ落ちたあとが白い。葉は楕円形で対生する。夏から秋に
かけて枝先に円錐花序を出し、小花が群がり咲く。花弁は6片で、
しわが多い。赤色のほか白色も薄桃色の花の種もある。木の幹
が滑らかで猿もすべって登れない木の意で名づけられたという。
ヒャクジッコウとも呼ぶ。
夏を代表する花の一つ。